专利摘要:
本発明は、SIMS技術を用いて試料における多数の生体分子の有無を検出および定量化するための方法、ならびに上記方法に使用するアレイに関する。
公开号:JP2011513762A
申请号:JP2010550325
申请日:2009-03-12
公开日:2011-04-28
发明作者:ドローヌ,アントニ;ノリス,ヴィクトール;ミセヴィッチ,グラディミール;リポール,カミーユ;ルジャン,ギヨーム
申请人:ウニヴェルシテ ド ルアンUniversite De Rouen;
IPC主号:G01N27-62
专利说明:

[0001] 本発明は、同位体標識法および二次イオン質量分析法を用いてDNA、RNAまたはタンパク質などの生体分子を検出および定量化するための方法、ならびに上記方法を実施するために設計されたアレイに関する。]
背景技術

[0002] 60年代初め、CastaingおよびSlodzianは、二次イオンを用いたマスフィルタ放出イオン顕微鏡法(mass-filtered emission ion microscopy)を発展させた。この方法は、後に二次イオン質量分析法(SIMS)と称される技術の一部である。この技術では、イオンビーム(一次イオンビーム)をプローブとして用いて、試料の表面原子層に原子または原子クラスタをスパッタする。原子または原子クラスタの小画分はイオン化されている。SIMS装置において、これらの二次イオンを質量に応じて分離し、その後、それらを用いて二次イオン電流を測定し、例えば分析された表面の定量的な原子質量画像を生成する。]
[0003] SIMSは、半導体および表面科学の研究、地球化学、有機材料の特性化、ならびに宇宙化学において主要な手段となっている。しかし長い間、イオン顕微鏡法は、方位分解能(1〜0.5μm)が乏しく、質量分離力が不十分であることから、生命科学分野における課題を解決する最低限の方法としてしか考えられてこなかった。]
[0004] 技術および概念の向上、特に均一に集束された一次イオンビームを用いることにより、方位分解能および質量分解能は著しく向上した。それゆえ、SIMS顕微鏡法は極めて効果的な画像処理手段になっている。例えば、Lecheneらは、SIMS技術を用いて、個々の不動毛、すなわち蝸牛の内部細胞の機械刺激細胞小器官を画像化することに成功した(Lechene at al. Journal of Biology, 2006, 5:20)。他の例では、15N環境下において培養された細菌における窒素固定の研究が可能になった。また、SIMS技術の使用により、Lecheneらは、単一細胞および細胞下構造において窒素固定の特定、定量化および比較が可能になった(Lechene et al. Science 2007, 317:1563)。このように、SIMS技術は、今や細胞または組織の画像化に広く用いられており、有力な診断手段である。]
[0005] また、SIMS技術はペプチド核酸(PNA)のマイクロアレイへの非標識DNAのハイブリダイゼーションを検出するためにも使用される(Brandt et al, 2003, Nucleic AcidsResearch, 31: 19)。これらの実験では、核酸の不可欠な要素であるがPNAにおいて完全に欠損しているリン酸塩を検出するSIMSによって、PNA/DNAまたはPNA/RNAの二本鎖が可視化された。]
[0006] 本発明の目的は、SIMS技術を用いて、試料における複数の生体分子の有無を検出および定量化するための方法を提供することにある。Brandtらに記載された方法は、(i)リン酸塩を含まないPNAプローブにしか適用できない、および(ii)プローブ/標的の相互作用を定量化できないという欠点がある。したがって、出願人は、SIMS技術を用いて、各試料におけるプローブ/標的の様々な相互作用を検出および定量化するための、多くの試料に適用可能な普遍的な方法を提供することを目的としている。上記相互作用の検出および定量化は、プローブ/標的の同位体比の計数によって決定される(図1参照)。] 図1
[0007] 本発明は、導電性表面と、少なくとも1つの微量な安定同位体もしくは不安定同位体、または外因性同位体によって標識されたプローブを含む複数の個別領域とを有する実質的に平面な基材を備えたアレイに関する。一実施形態によると、上記導電性表面を有する実質的に平面な基材は、シリコンウエハである。]
[0008] 一実施形態によると、上記プローブは、2H、13C、15N、17O、18O、33S、34Sおよび36Sの群から選択される少なくとも1つの安定重同位体、3Hおよび14Cの群から選択される少なくとも1つの不安定同位体、または79Brおよび81Brの群から選択される少なくとも1つの外因性同位体によって標識される。]
[0009] 一実施形態によると、上記アレイはマイクロアレイであり、当該マイクロアレイの各個別領域の長さ、幅または直径のうち1つが1μm〜1000μmである。一実施形態において、各個別領域が、少なくとも1つの微量な安定同位体もしくは不安定同位体、または外因性同位体によって標識されたプローブを含むマイクロウェルである。]
[0010] 一実施形態において、上記アレイはナノアレイであり、当該ナノアレイの各個別領域の長さ、幅または直径のうち1つが1nm〜1000nmである。]
[0011] 一実施形態において、各個別領域が、少なくとも1つの微量な安定同位体もしくは不安定同位体、または外因性同位体によって標識されたプローブを含むナノウェルである。]
[0012] 一実施形態によると、各マイクロウェルは複数のナノウェルを有し、上記ナノウェルが、少なくとも1つの微量な安定同位体もしくは不安定同位体、または外因性同位体によって標識された上記プローブを含む。]
[0013] 本発明は、少なくとも1つの試料において、少なくとも1つの生体分子の有無を検出および定量化するための方法であって、
(a)上記少なくとも1つの試料を上述のようなアレイに接触させるステップと、
(b)上記アレイを洗浄および乾燥させるステップと、
(c)SIMSによって、共通二次イオン、および対応する微量な二次イオンを検出および計数するステップと、を含む方法に関する。]
[0014] 一実施形態によると、検査する各試料をアレイの1つ以上の個別領域に接触させる。]
[0015] 一実施形態によると、検査する試料は単細胞である。]
[0016] 一実施形態によると、上記方法は、検査する試料の分子地図を作成するための方法であり、該分子地図は、上記試料のトランスクリプトーム、プロテオーム、リピドーム、メタボローム、グリコーム、および/またはインタラクトームに基づく。]
[0017] 一実施形態によると、上記方法は、疾病素因を予測するため、または診断を必要とする被験者の疾患を診断するための方法である。]
[0018] 一実施形態によると、上記方法は、疾病を治療する被験者に投与する治療薬の有効性をモニタリングするための方法である。]
[0019] 一実施形態によると、上記方法は、治療薬をスクリーニングするためのものである。]
図面の簡単な説明

[0020] 図1は、標的タンパク質へのプローブの結合を検出するSIMS検出の原理を示す。生体分子(プローブおよび標的)は、原子レベルまで細分化される(動的SIMS条件)。そのため、個々のプローブ/標的対は、数百の15Nおよび14N原子(実際の実験ではCN-分子の二次イオンの形態において)を提供し、これらの原子はSIMS分析器において容易に計測される(増幅)。14N/15N同位体比の増加を測定することにより、抗体に結合されたこれらの標的タンパク質の定量化が可能である。
図2は、プローブまたは標的が標識されているか否かに応じたDIRの増加または減少を示す。
図3は、15Nの同位体画分を示す。
図4は、13Cの同位体画分を示す。] 図1 図2 図3 図4
実施例

[0021] 〔発明の詳細な説明〕
(定義)
本明細書において使用する「核酸」という用語は、例えばデオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドなどのヌクレオチド、またはPNAなどの合成により生成された化合物からなるポリマーを指す。PNAは、2つの天然の核酸のハイブリダイズと同様の配列特定方法(例えば、ワトソン−クリック塩基対の相互作用に関与し得る)において天然の核酸とハイブリダイズし得る。]
[0022] 本明細書において使用する「リボ核酸」および「RNA」という用語は、リボヌクレオチドからなるポリマーを指す。]
[0023] 本明細書において使用する「デオキシリボ核酸」および「DNA」という用語は、デオキシリボヌクレオチドからなるポリマーを指す。]
[0024] 本明細書において使用する「オリゴヌクレオチド」という用語は、長さ約10〜100のヌクレオチドの一本鎖ヌクレオチドマルチマー、および長さ200以下のヌクレオチドを指す。]
[0025] 本明細書において使用する「試料」という用語は、1つ以上の対象の要素を含む材料、または材料の混合物であり、特に、限定されるものではないが、液体状の材料を指す。]
[0026] 「ヌクレオシド」および「ヌクレオチド」という用語は、プリン塩基およびピリミジン塩基だけでなく、変性された他の複素環塩基も包含することを指す。このような変性は、メチル化されたプリンもしくはピリミジン、アシル化されたプリンもしくはピリミジン、アルキル化されたリボース、または他の複素環塩基を含む。さらに、「ヌクレオシド」および「ヌクレオチド」という用語は、従来のリボース糖およびデオキシリボース糖に限らず、他の糖を有する部分を含む。また、変性されたヌクレオシドまたはヌクレオチドは、糖部分における変性を含む。この変性では、例えば1つ以上のヒドロキシル基がハロゲン原子もしくは脂肪族基に置換されるか、または、エーテル、アミンなどとして官能基化される。]
[0027] 本明細書において使用する「タンパク質」という用語は、ペプチド結合によって結合されたアミノ酸残基のポリマーを指す。本明細書において使用するこの用語は、任意の大きさ、構造または機能のタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドを指す。しかし、典型的に、タンパク質は少なくとも長さ6のアミノ酸である。好ましくは、タンパク質が短ペプチドである場合、少なくとも長さ約10のアミノ酸残基である。タンパク質は、天然、組み換えもしくは合成であり得、またはこれらの任意の組合せであり得る。また、タンパク質は、天然のタンパク質またはペプチドの断片であってもよい。タンパク質は、単一分子または多分子錯体であってもよい。タンパク質という用語は、1つ以上のアミノ酸残基が、対応する天然のアミノ酸の人工化学類似体である、アミノ酸ポリマーを指してもよい。アミノ酸ポリマーは、1つ以上のアミノ酸残基が「非天然」アミノ酸であり、天然のアミノ酸のいずれにも対応しない場合でも、このアミノ酸ポリマーを本願において使用する「タンパク質」という用語に含める。]
[0028] 「固形支持体の表面に結合されたオリゴヌクレオチド」という語句は、ある箇所における固形基材の表面に固定されたオリゴヌクレオチド、またはその模倣物(例えば、PNAなど)を指す。ここで、基材は板、ビーズ、または他の構造などの様々な形態をとり得る。ある実施形態では、本願に適用されるオリゴヌクレオチドの集合特性は、同一の平面支持体の表面に認められる(例えばアレイの形態で)。]
[0029] 「アレイ」という用語は、「マイクロアレイ」および「ナノアレイ」という用語を包含する。以下に詳述するように、アレイは、一般的に、固体支持体の表面に結合された複数の相違する、または異なるプローブによって構成されており、基材固定化プローブとも呼ばれる。一実施形態において、本発明のアレイはホモアレイであり、本発明のアレイは、1つの化学タイプのプローブのみ、すなわち核酸プローブのみ、またはペプチドもしくはタンパク質プローブのみなどを含む。他の実施形態では、本発明のアレイはヘテロアレイであり、本発明に係るアレイは、核酸プローブとタンパク質プローブとの混合物などのプローブタイプの組合せを含む。]
[0030] 「ナノウェル」という用語は、プローブが結合されるナノメートル寸法の領域を指す。「マイクロウェル」という用語は、プローブが結合されるマイクロメートル寸法の領域を指す。]
[0031] 「ナノアレイ装置(Nano Array Device)」またはNADは、マイクロメートル寸法の(多くの同一の複製形態または異なる形態で単一チップ上に存在し得る)機構を指す。NADは、1組のナノウェルまたは1組の個別領域(ウェルを含まずにプローブを含む)を含み、これらナノウェルまたは個別領域自体はマイクロウェルに包含されていてもよいし、包含されていなくてもよい。]
[0032] 「共通二次イオン」という用語は、SIMSにおいて生成および分析されるとともに、それらの構成要素において微量な安定(または不安定)同位体を含まないイオンを指す。共通二次イオンの例は、12C14N-、12C-などである。]
[0033] 「微量な二次イオン」という用語は、SIMSにおいて生成および分析されるとともに、それらの構成要素においてプローブおよび/または標的分子の標識に用いられる割合で微量な安定(または不安定)同位体を含むイオンを指す。微量な二次イオンの例は、13C-、13C14N-、12C15N-、および13C15N-である。]
[0034] 「バックグラウンド共通二次イオン」という用語は、SIMSにおいて生成および分析されるとともに、それらの構成要素において微量な安定(または不安定)同位体を、自然発生的な割合(プローブおよび/または標的分子の標識に用いる割合とは反対に)で含むイオンを指す。それらの天然の割合における天然二次イオンの例としては、12C14N-、13C14N-、12C15N-、および13C15N-が0.98538:0.01096:0.00362:0.00004である。]
[0035] 個別領域、マイクロウェル、またはナノウェルに使用するような「検出同位体比(Deletion Isotopic Ratio)」すなわちDIRという用語は、共通二次イオンの数と、共通二次イオンの数にSIMSまたは関連する方法によって得られる微量な二次イオンの少なくとも1つを加えた数との比を指す(例えば、12C14N-/(12C14N-+12C15N-)、12C14N-/(12C14N-+13C14N-)、12C14N-/(12C14N-+12C15N-+13C14N-)、12C14N-/(12C14N-+12C15N-+13C14N-+13C15N-)、または12C-/(12C+13C-)など)。図2は、プローブまたは標的が標識されるか否かに基づく、DIRの増減を示す(例えば、異なる同位体によってプローブおよび標的の両方が標識された場合、DIRにおける方向の変化は特定の場合それぞれについて計数される)。] 図2
[0036] 「外因性同位体」という用語は、生体分子(プローブおよび標的)に天然には含まれないが、使用者によってこれらの分子に加えられた同位体を表す。外因性同位体は、標準的な化学反応または生体化学反応によって生体分子に共有結合されていてもよい。別の態様では、外因性同位体は、プローブまたは標的のいずれかと強く相互作用し、プローブによって標的の認識が激減しない分子と共有結合されていてもよい。外因性同位体の例としては、79Brおよび81Brが挙げられる。]
[0037] 「対照個別領域」という用語は、プローブ(標識された、または標識されていない)が検査すべき試料と接触していない、またはプローブと標的との間に特定の相互作用が存在しない個別領域(すなわち、標的が分析すべき試料に存在しない)、マイクロウェルまたはナノウェルを指す。]
[0038] 〔本発明〕
(支持材料および表面の特性)
本発明の目的は、導電性表面および複数の個別領域を有する実質的に平面の基材を備えたアレイである。当該個別領域はウェル形状をとり、少なくとも1つの微量な同位体(例えば、安定重同位体もしくは安定軽同位体、または不安定同位体)、または少なくとも1つの外因性同位体(例えば79Br、81Br)によって標識されるプローブを含む。]
[0039] 本発明によると、導電性表面をもつ実質的に平面の基材は、シリコンウエハ、金、銀、アルミニウム、銅、白金、パラジウムもしくは他の金属、GaAs、InPなどの半導体、またはポリマー材料、ポリマー被覆材料、超電導体材料、セラミックス、酸化鉄、酸化ケイ素などの表面電導するように処理された他の材料からなる、任意の固体もしくは半固体表面である。]
[0040] 本発明に係る一実施形態では、導電性表面を有する上記実質的に平面の基材は、SIMSに適している。]
[0041] 本発明に係る好ましい実施形態では、導電性表面を有する上記SIMSに適合する実質的に平面の基材は、シリコンウエハである。]
[0042] 〔マイクロウェルの形態における個別領域〕
本発明の他の目的は、上述のようなマイクロアレイの構成をとるマイクロウェルアレイである。このアレイにおいて、個別領域は少なくとも1つの安定同位体または不安定同位体によって標識されたプローブを含むマイクロウェルである。マイクロウェルは、例えばドット、ライン、円、四角または三角などの任意の形状であり得、例えば横列および縦列、格子、グリッドなどの任意のより大きなパターンで配置されていてもよい。これらのマイクロウェルは、少なくとも1つの微量な安定同位体または不安定同位体によって標識されたプローブを含む。]
[0043] 本発明に係る一実施形態では、本発明のマイクロウェルアレイは、10〜100000個のマイクロウェルを含み、他の実施形態では10〜25000個のマイクロウェル、他の実施形態では100〜10000個のマイクロウェル、他の実施形態では1000〜5000個のマイクロウェルを含む。]
[0044] 本発明に係る一実施形態では、マイクロウェルの形状および大きさは、各マイクロウェルに単細胞を保存するのに適するように決定される。]
[0045] 一実施形態では、各マイクロウェルの長さ、幅または直径のうち1つは、1μm〜1000μmの範囲内であり、他の実施形態では1μm〜500μm、他の実施形態では1μm〜200μm、他の実施形態では1〜100μmの範囲内である。]
[0046] 一実施形態において、各マイクロウェルの深さは1μm〜100μmであり、他の実施形態では1μm〜50μm、他の実施形態では5μm〜20μmである。]
[0047] 各マイクロウェル間の距離は25〜5000μm、他の実施形態では100〜1000μm、他の実施形態では50〜150μmであってもよい。]
[0048] マイクロウェルは、任意の形状であり得る。例えば、円筒形の形状、複数の面をもつ多面体(平行六面体、六角柱、八角柱)、逆円錐形、逆ピラミッド形などの非円筒形の形状であり得、または、これらの形状を2つ以上組み合わせた形状であり得る。円錐形および平行六面体の場合、マイクロウェルの底部は通常は平らであるが、曲線状(凸型または凹型)の表面であってもよい。]
[0049] 本発明の実施形態において、一組のマイクロウェルを担持する実質的に平面の導電性表面は、長さ1cm、幅1cm、および厚さ約250μmの、長方形の固体または円盤(他の形状も可能だが)として形成され得る。]
[0050] (ナノウェル形状の個別領域)
本発明に係る他の目的は、上述したようなナノアレイの構造をとるナノウェルアレイである。このアレイにおいて、個別領域は少なくとも1つの微量な安定同位体または不安定同位体によって標識されたプローブを含むナノウェルである。ナノウェルは、例えばドット、ライン、円、四角または三角などの任意の形状であり得、例えば横列および縦列、格子、グリッドなどの任意のより大きなパターンで配置されていてもよい。これらのナノウェルは、少なくとも1つの微量な安定同位体または不安定同位体によって標識されたプローブを含む。]
[0051] 本発明に係る一実施形態において、本発明のナノウェルは10〜100000個のナノウェルを含み、他の実施形態では10〜25000個のナノウェル、他の実施形態では100〜10000個のナノウェル、他の実施形態では1000〜5000個のナノウェルを含む。]
[0052] 一実施形態では、各ナノウェルの長さ、幅または直径のうち1つは、1nm〜1000nmの範囲内であり、他の実施形態では5nm〜500nm、他の実施形態では10nm〜200nm、他の実施形態では50〜100nmの範囲内である。]
[0053] 一実施形態では、各ナノウェルの深さは1nm〜100nmであり、他の実施形態では1nm〜50nm、他の実施形態では5nm〜20nmである。]
[0054] 各ナノウェル間の距離は10〜1000nm、他の実施形態では50〜500nm、他の実施形態では100〜200nmであってもよい。]
[0055] ナノウェルは任意の形状であり得、例えば、円筒形の形状、複数の面をもつ多面体(平行六面体、六角柱、八角柱)、逆円錐形、逆ピラミッド形などの非円筒形の形状、またはこれらを2つ以上組み合わせた形状であってもよい。円錐形および平行六面体の場合、ナノウェルの底部は通常は平らであるが、曲線状(凸型または凹型)の表面であってもよい。]
[0056] 本発明に係る実施形態では、一組のナノウェルを担持する略平面の導電性表面は、長さ1cm、幅1cm、および厚さ約250μmの、長方形の固体または円盤(他の形状も可能だが)として形成され得る。]
[0057] (ウェルの形態ではない個別領域)
本発明の他の目的は、基材上により大きなパターンを形成する1組の個別領域、またはパターンユニットの構成をとるアレイである。個別領域またはパターンユニットは、例えばドット、ライン、円、四角または三角などの任意の形状であってもよく、例えば横列および縦列、格子、グリッドなどの任意のより大きなパターンに配置されていてもよい。これらの個別領域は、少なくとも1つの微量な安定(または不安定)同位体によって標識されたプローブを含む。]
[0058] 本発明の一実施形態において、本発明の個別領域は、10〜100000個の個別領域を含み、他の実施形態では10〜25000個の個別領域、他の実施形態では100〜10000個の個別領域、他の実施形態では1000〜5000個の個別領域を含む。]
[0059] 本発明に係る一実施形態では、本発明のアレイは、マイクロアレイである。本実施形態では、各個別領域の長さ、幅または直径のうち1つは、1μm〜1000μmの範囲内であり、他の実施形態では5μm〜500μm、他の実施形態では10μm〜200μm、他の実施形態では50〜100μmの範囲内である。各個別領域間の距離は、10〜1000μm、他の実施形態では50〜500μm、他の実施形態では100〜200μmであってもよい。]
[0060] 本発明に係る一実施形態において、本発明のアレイは、ナノアレイである。本実施形態では、各個別領域の長さ、幅または直径のうち1つは、1nm〜1000nmの範囲内であり、他の実施形態では5nm〜500nm、他の実施形態では10nm〜200nm、他の実施形態では50〜100nmの範囲内である。各個別領域間の距離は、10〜1000nm、他の実施形態では50〜500nm、他の実施形態では100μm〜200nmであってもよい。]
[0061] 本発明に係る実施形態では、一組の個別領域を担持する膜組織またはシリコンウエハは、例えば長さ1cm、幅1cm、および厚さ約250μmの、長方形の固体または円盤(他の形状も可能だが)として形成され得る。]
[0062] 〔プローブ〕
(プローブの化学特性および同位体組成)
本実施形態では、標的(通常は、細胞だけでなくウイルス、細胞小器官または細胞自体を構成する生体分子)に結合するプローブは、核酸(オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、PNA)、ペプチドもしくはタンパク質(抗体、酵素)、配位子(抗原、酵素基質、受容体または受容体の配位子)、グリカン、脂質、ポリアミン、ファージ、ウイルスなどの任意の分子(生体または非生体)、またはこれら分子の組合せから構成されていてもよい。]
[0063] 本発明によると、プローブは少なくとも1つの微量な安定同位体または不安定同位体を含む。一実施形態では、プローブは、2H、13C、15N、17O、18O、33S、34Sおよび36Sなどの少なくとも1つの安定重同位体を含む。他の実施形態では、プローブは、3Hおよび14Cなどの少なくとも1つの不安定同位体を含む。他の実施形態では、プローブは、79Brおよび81Brなどの少なくとも1つの外因性同位体を含む。]
[0064] 〔プローブの接着またはグラフティング〕
アレイへのプローブの接着または接合は、当業者に周知の技術によってなし得る。プローブは、アレイに吸着、物理吸着、化学吸着または共有結合され得る。プローブをパターン化して表面に直接または間接的に転写および吸着させるために、リソグラフィプリントを用いてもよい。]
[0065] 例えば、表面と接合させるプローブとの化学反応のために、プローブの接着は表面に官能基を導入することにより達成されてもよい。]
[0066] カルボキシル基(COOH)は、接合のための最も知られた官能基の1つである。化学結合は、タンパク質由来のアミノ基とカルボキシル官能基との間に生じる。また、アクリル酸、または共重合ビニルシランおよび無水マレイン酸は、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩によって表面にタンパク質を接合する場合にスペーサとして機能するシリコン−COOH基質を生成するために使用され得る。]
[0067] 〔プローブの同定〕
多様な異なるプローブがアレイに接着されている実施形態では、プローブは、プローブを含む個別領域の位置または配位によって同定される。]
[0068] 〔試料の特性および原料〕
本発明の方法によると、検査対象の試料は、細胞、組織、器官、体液(血清、血漿、精液、滑液、脳脊髄液、血液または尿など)、細胞培養液、水(汚水、淡水、海水、地下水など)から分離され得る。]
[0069] 本発明の方法によると、検査対象の試料は、核酸(オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、PNA)、ペプチドもしくはタンパク質(抗体、酵素)、配位子(抗原、酵素基質、受容体または受容体の配位子)、グリカン、脂質、ポリアミン、ファージ、ウイルス、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。このように、検出対象の生体分子は、核酸(オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、PNA)、ペプチドもしくはタンパク質(抗体、酵素、プリオン)、配位子(抗原、酵素基質、受容体または受容体の配位子)、グリカン、脂質、ポリアミン、ファージ、ウイルス、またはこれらの混合物であってもよい。]
[0070] 〔プローブの標識〕
本発明の方法によると、プローブまたは標的、すなわち検査対象の試料に存在する生体分子が、微量な安定同位体もしくは不安定同位体、または外因性同位体によって標識される。]
[0071] 一実施形態では、プローブまたは標的は、少なくとも1つの微量な安定同位体、例えば2H、13C、15N、17O、18O、33S、34Sおよび36Sなどによって標識されてもよい。]
[0072] 一実施形態では、プローブまたは標的は、少なくとも1つの不安定同位体、例えば3Hおよび14Cなどによって標識されてもよい。]
[0073] 他の実施形態では、プローブまたは標的は、少なくとも1つの外因性同位体、例えば79Brおよび81Brなどによって標識されてもよい。]
[0074] インビボおよびインビトロという2つの技術を用いて標識プローブが得られる。インビトロ標識の場合、1)ポリメラーゼ連鎖反応を用いて標識オリゴヌクレオチドを生成する、2)ペプチド合成を用いて標識ペプチドを生成する、3)インビトロ転写/翻訳を用いて標識RNAおよび標識タンパク質を生成する、4)逆転写を用いて標識cDNAを生成する、5)化学合成を用いて標識PNAを生成する。インビボ標識の場合、2H、13C、15N、17O、18O、33S、34Sおよび36Sの混合物、3H、14Cの混合物、または長い半減期をもつ他の不安定同位体によって標識された栄養素(例えばNH4Cl、グルコースおよびアミノ酸)を含む培地上に、原核細胞または真核細胞を成長させる。その結果、これらの細胞が標識プローブ(例えば抗体、バクテリオファージ、核酸、タンパク質、糖、または他の細胞構成要素など)を生成する。]
[0075] 標的、すなわち検査対象の試料内に存在する生体分子を標識する場合、2H、13C、15N、17O、18O、33S、34Sおよび36Sの混合物、または3H、14Cの混合物によって標識された栄養素(例えばNH4Cl、グルコースおよびアミノ酸)を含む培地上に、細胞を成長させる。その結果、これらの細胞が標識生体分子を生成する。]
[0076] 〔試料とアレイとの接触〕
本発明の方法に係る一実施形態では、検査対象の試料を複数の多様なプローブを含むアレイ(マイクロアレイまたはナノアレイ)と接触させる。]
[0077] 他の実施形態では、複数の試料が検査対象である場合、各試料をマイクロウェルアレイにおける1つ以上のマイクロウェルと接触させる。]
[0078] 他の実施形態では、検査対象の試料の数および種類が単細胞の数および種類に対応する場合、適切な方法によって得られる各単細胞の内容物をマイクロウェルアレイにおける1つのマイクロウェルと接触させる。]
[0079] 〔プローブと標的との相互作用の条件〕
そして、アレイ上に存在するプローブを標的生体分子と相互作用させる条件下において、試料をアレイに接触させる。]
[0080] 共通する12C同位体および14N同位体が存在しない(例えばリン酸緩衝生理食塩水など)様々な緩衝液中でプローブをその標的に結合させる。塩(乾燥ステップにおいて結晶を形成し得る)、非結合分子および大きな細胞残渣を除去するために、純水(好ましくは、標的からプローブが分離するのを制限するために低温にて)によって慎重に洗浄した後、真空下のオーブンまたは凍結乾燥によって無塵環境下にてアレイを乾燥させる。]
[0081] 〔SIMSによる検出および他の関連技術〕
本発明に係る方法によると、検出同位体比を得るために微量な共通二次イオンの数を計測することにより、二本鎖のプローブ/標的を検出することができる。]
[0082] 一実施形態では、動的二次イオン質量分析(D−SIMS)によって二本鎖のプローブ/標的を検出する。他の実施形態では、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)によって二本鎖のプローブ/標的を検出する。]
[0083] 二次イオン質量分析(SIMS)では、一次イオンのエネルギービームの衝突により固体試料の表面(1nm〜1μmの深さ)から抽出された二次イオンを質量分析し、無機材料および有機材料の表面組成を分析することができる。分子は、D−SIMSにおける一次イオンによって、動的D−SIMSにより分子の構成元素に完全に断片化されるか、またはToF−SIMSによりアミノ酸などの分子断片に部分的に断片化される。また、レーザーSNMSなどのSIMS関連技術を用いてプローブ/標的の相互作用を検出してもよい。]
[0084] 本発明に係る方法の一実施形態において、アレイに接着されたプローブは、微量な安定同位体もしくは不安定同位体、または外因性同位体によって標識される。本実施形態では、検査対象の試料は、これらの微量な同位体を自然の比率(またはそれよりも低い比率)のみ含有する生体分子(標的)を含む。]
[0085] プローブ/標的の相互作用の存在は、各個別領域、マイクロウェルまたはナノウェルから得られる検出同位体比と、対照個別領域、対照マイクロウェルもしくは対照ナノウェルから得られる、または以下の分離された領域から得られる基底検出同位体比とを比較することによって測定される。この個別領域においては、標識プローブと標的との間に特異的相互作用が存在せず(すなわち、標的が分析すべき試料に存在しない)、または、非標識プローブと非標識標的との間に特異的相互作用が存在しない。]
[0086] したがって、プローブを標識し、かつ、標的を標識しない場合において、1つの個別領域、マイクロウェルまたはナノウェルから得られる検出同位体比が対照個別領域、対照マイクロウェルまたは対照ナノウェルから得られる検出同位体比よりも極めて高い場合、プローブ/標的の相互作用の存在が明らかとなる。例えば、同一の機器設定について、プローブを13Cによって標識する場合、個別領域、マイクロウェルまたはナノウェルから得られる検出同位体比12C/(12C+13C)(または代替的に12C14N/(12C14N+12C15N))が対照個別領域、対照マイクロウェルまたは対照ナノウェルから得られる検出同位体比よりも高い場合、プローブ/標的の相互作用の存在が明らかとなる。]
[0087] したがって、プローブを標識せず、かつ、標的を標識する場合において、個別領域、マイクロウェルまたはナノウェルから得られる検出同位体比が対照個別領域、対照マイクロウェル、または対照ナノウェルから得られる検出同位体比よりも極めて低い場合、プローブ/標的の相互作用の存在が明らかとなる。例えば、同一の機器設定について、プローブを13Cによって標識する場合において、個別領域、マイクロウェルまたはナノウェルから得られる二次イオンの比12C/(12C+13C)(または12C14N/(12C14N+12C15N))が対照個別領域、対照マイクロウェルまたは対照ナノウェルから得られる二次イオン比よりも低い場合、プローブ/標的の相互作用の存在が明らかになる。]
[0088] したがって、プローブおよび標的を同じ同位体によって標識する場合において、個別領域、マイクロウェルまたはナノウェルから得られる検出同位体が対照個別領域、対照マイクロウェル、または対照ナノウェルから得られる検出同位体比と大幅に異なる場合、プローブ/対象の相互作用の存在が明らかになる。]
[0089] 本発明によると、プローブまたは標的は、1つ以上の微量な安定同位体もしくは不安定同位体、またはそれらの構成要素の外因性同位体によって標識されてもよい。例えば、13Cおよび15Nによってプローブまたは標的を標識してもよい。プローブの13C15Nなどの多重標識は、バックグラウンドを最小化するのに特に有効である。]
[0090] 本発明によると、標的を微量な安定(または不安定)同位体によって標識する場合、各条件の特異的標識によって様々な実験条件(例えば、薬剤処理の有無など)が区別され得る。]
[0091] 〔検出および定量化の方法〕
本発明の目的は、少なくとも1つの試料において、少なくとも1つの生体分子の有無を検出および定量化するための方法である。当該方法は、
(a)アレイ上に存在するプローブを標的生体分子と相互作用させる条件下において、上記少なくとも1つの試料をアレイに接触させ、上記アレイに存在するプローブまたは上記試料に存在する生体分子が少なくとも1つの微量な安定(または不安定)同位体によって標識されるステップと、
(b)アレイを洗浄および乾燥させるステップと、
(c)SIMSによって、共通二次イオン、および対応する微量な二次イオンを検出および計数するステップと、を有する。上記方法により、DIRを計測することができる。]
[0092] そして、各個別領域、マイクロウェル、またはナノウェルから得られたDIRを対照個別領域、対照マイクロウェル、または対照ナノウェルから得られたDIRと比較し、DIRに大きな変化があった場合(図2参照)には、プローブ/対象の相互作用が存在するという証拠(検出)になる。さらに、DIRを正確に測定することにより、プローブと標的との間の相互作用の数を定量化することができる。共通二次イオンおよび微量な二次イオン両者の正確な計測統計を得るために材料の最大量をスパッタリングした後で、正確なDIR計測値が得られる。個別領域(マイクロウェルもしくはナノウェル、または実際に個別領域内の試料ユニット領域)毎のプローブと相互作用する標的の数を計数するために、a)個別領域表面上のプローブの密度、b)個々のプローブおよび個々の標的における所望の各同位体の原子数、を知る必要がある。そして、この知識により、個別領域毎の標的の数に応じてDIRをプロットすることができる。] 図2
[0093] 〔発明の利用〕
他の実施形態によると、少なくとも1つの生体分子を含む、または含まない少なくとも1つの試料を検出および定量化するための方法による上記試料の分子地図を決定できるか、または、単細胞において生体分子および相互作用の検出が可能である。試料の分子地図の決定とは、上記試料のトランスクリプトーム、プロテオーム、リピドーム、メタボローム、グリコーム、またはインタラクトームの決定を意味する。]
[0094] 〔分子地図に対する適用〕
本発明の一実施形態によると、試料において少なくとも1つの生体分子の有無を検出および定量化するための方法は、上記試料の分子地図を提供することを目的とする。]
[0095] 一実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子はゲノム配列であり、試料におけるゲノム変異を決定することができる。]
[0096] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子はRNAであり、試料におけるトランスクリプトームを決定することができる。]
[0097] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子はタンパク質であり、試料におけるプロテオームを決定することができる。]
[0098] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子は脂質であり、試料におけるリピドームを決定することができる。]
[0099] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子は代謝物であり、試料におけるメタボロームを決定することができる。]
[0100] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子は糖化タンパク質であり、試料におけるグリコームを決定することができる。]
[0101] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子は少なくとも1つの特異的プローブと相互作用するタンパク質であり、試料におけるインタラクトームを決定することができる。]
[0102] 〔単細胞に対する適用〕
本発明の他の実施形態によると、単細胞レベルにて少なくとも1つの生体分子の有無を検出および定量化するための方法は、単細胞レベルの分子地図を提供することにある。]
[0103] 一実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子は、ゲノム配列であり、単細胞レベルでのゲノム変異を決定することができる。]
[0104] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子はRNAであり、単細胞レベルでのトランスクリプトームを決定することができる。]
[0105] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子はタンパク質であり、単細胞レベルでのプロテオームを決定することができる。]
[0106] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子は脂質であり、単細胞レベルでのリピドームを決定することができる。]
[0107] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子は代謝物であり、単細胞レベルでのメタボロームを決定することができる。]
[0108] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子は糖化タンパク質であり、単細胞レベルでのグリコームを決定することができる。]
[0109] 他の実施形態では、検出および定量化対象である様々な生体分子は少なくとも1つの特異的プローブと相互作用するタンパク質であり、単細胞レベルでのインタラクトームを決定することができる。]
[0110] 〔疾病に対する適用〕
本発明の他の目的は、
−疾病素因を予測するため、または被験者の疾病を診断するため、
−治療薬をスクリーニングするため、
−疾病の治療のために被験者に投与された治療薬の有効性をモニタリングするために、
単細胞レベルにて試料における少なくとも1つの生体分子を検出および定量化するための方法の利用である。]
[0111] 本発明の他の目的は、疾病素因を予測するため、または被験者の疾病を診断するための方法である。この方法は、
(a)アレイ上に存在するプローブが、疾病に関連する、または特異的に発現することが知られる標的生体分子と相互作用することができる条件下において、上記被験者から単離した少なくとも1つの試料をアレイに接触させ、上記アレイ上に存在するプローブが少なくとも1つの微量な安定(または不安定)同位体によって標識されるステップと、
(b)アレイを洗浄および乾燥させるステップと、
(c)SIMSによって共通二次イオンおよび対応する微量な二次イオンを検出および計数するステップであって、プローブと標的との相互作用の数は、各個別領域、マイクロウェルまたはナノウェルから得られるDIRと、対照個別領域、対照マイクロウェルもしくは対照ナノウェルから得られる、または個別領域から得られるDIRとを比較することによって定量化され、当該個別領域においては、プローブと標的との特異性相互作用が存在せず(すなわち、標的が分析対象である試料に存在しない)、または、非標識プローブと非標識標的との間に特異性相互作用が存在しない構成をとるステップと、
(d)上記発現パターンと基準パターンとを比較するステップであって、上記疾病と関連する、または特異的に発現することが知られる少なくとも1つの生体分子の有無もしくは増減は、疾病が進行している可能性の指標または疾病の存在の指標である、ステップとを含む。]
[0112] 一実施形態において、被験者は哺乳類である。好ましい実施形態において、被験者はヒトである。]
[0113] 本発明に係る方法によると、検査すべき試料は、被験者の細胞、組織、器官または体液(血清、血漿、精液、滑液、脳脊髄液、血液もしくは尿など)から分離すればよい。]
[0114] 病変細胞または組織から試料を抽出してもよい。例えば、細胞または組織は、HIV、インフルエンザ、マラリア、肝炎、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルスなどの病原体に感染していてもよい。一実施形態において、細胞または組織は、ウイルス性または細菌性の病原菌に感染していてもよい。他の実施形態では、疾病は癌である。他の実施形態では、疾病は、パーキンソン病、アルツハイマー症、または多発性硬化症などの神経変性疾患である。]
[0115] 本発明の一実施形態では、上記方法は、癌の素因を予測すること、または被験者の癌を診断することを目的とする。]
[0116] 本発明の他の実施形態では、上記方法は、細菌性疾患の素因を予測または診断することを目的とする。]
[0117] 本発明の他の実施形態では、上記方法は、ウイルス性疾患の素因を予測または診断することを目的とする。]
[0118] 本発明の他の目的は、治療薬をスクリーニングするための方法であって、
(a)所望の少なくとも1つの治療薬とともに細胞を培養するステップと、
(b)アレイ上に存在するプローブが標的生体分子と相互作用することができる条件下において、上記培養物から分離された少なくとも1つの試料をアレイに接触させ、上記アレイ上に存在するプローブが少なくとも1つの重同位体または不安定同位体によって標識されるステップと、
(c)アレイを洗浄および乾燥させるステップと、
(d)SIMSによって共通二次イオンおよび対応する微量な二次イオンを検出および計数するステップであって、プローブと標的との相互作用の数は、各個別領域、マイクロウェルまたはナノウェルから得られるDIRと、対照個別領域、対照マイクロウェルもしくは対照ナノウェルから得られる、または以下の個別領域から得られるDIRとを比較することによって定量化され、当該個別領域においては、プローブと標的との特異的相互作用が存在せず(すなわち、標的が分析対象である試料に存在しない)、または、非標識プローブと非標識標的との特異的相互作用が存在しないステップと、
(e)上記発現パターンと基準パターンとを比較するステップであって、特定の生体分子の増減が、上記治療薬の有効性の指標であるステップとを含む方法である。]
[0119] 本発明の他の目的は、疾病の治療のために被験者に投与された治療薬の有効性をモニタリングするための方法である。方法は、
(a)アレイ上に存在するプローブが標的生体分子と相互作用することができる条件下において、上記被験者から分離された少なくとも1つの試料をアレイに接触させ、上記アレイ上に存在するプローブが少なくとも1つの重同位体または不安定同位体によって標識されるステップと、
(b)アレイを洗浄および乾燥させるステップと、
(c)SIMSによって共通二次イオンおよび対応する微量な二次イオンを検出および計数するステップであって、プローブと標的との相互作用の数は、各個別領域、マイクロウェルまたはナノウェルから得られるDIRと、対照個別領域、対照マイクロウェルまたは対照ナノウェルから得られる、あるいは以下の個別領域から得られるDIRとを比較することによって定量化され、当該個別領域においては、プローブと標的との特異的相互作用が存在せず(すなわち、標的が分析すべき試料に存在しない)、または非標識プローブと非標識標的との間に特異的相互作用が存在しないステップと、
(d)被験者の治療中に異なる回数、少なくとも1つの生体分子の試料から発現パターンを得るステップ、
(e)上記発現パターンと基準パターンとを比較するステップであって、疾病に関連する、または特異的に発現することが知られる生体分子の増減が、上記治療薬の有効性の指標であるステップとを含む。]
[0120] 〔実施例〕
以下の説明において、詳細な説明がなされていない全ての実験は、標準プロトコルにしたがって実施されている。]
[0121] 以下の実施例は、本発明の好ましい形態を実証することを含む。当業者であれば、実施例は、本発明者が本発明の実施において好適に機能することを見出した技術に基づくものであり、その実施の好ましい形態を構成すると考えられることが理解できるであろう。しかしながら、当業者によれば、本開示を鑑みて、本発明の本質および範囲から逸脱することなく、開示された特定の実施形態を様々に変更することが可能であり、また、同じまたは同様の結果を得ることができる。]
[0122] <実験1>
この実験では、SIMS技術を用いて、同位体標識タンパク質、および異なる量の非標識分子を含む混合物における13C同位体の割合を定量検出することが可能であることを示す。]
[0123] 〔同位体標識および希釈〕
同位体標識分子は、一般に、グリセロール(12Cの供給源である)およびアジ化ナトリウム(14Nの供給源である)などの保護剤ならびに防腐剤を含む緩衝液に供給される。これらの薬剤を用いて、透析膜(Milliporeにより提供)を保護する。以下の実験の目的は、それらを除去するのに必要な透析の条件を決定することにある。]
[0124] 利用可能な窒素が15Nである最小培地において培養したE.coliから、タンパク質を抽出した。SIMSにより、これらの同位体画分が97.8%±0.02%であることがわかった。これらの標識タンパク質20μgを水中にて6時間、未洗浄または洗浄済みのMilliporeの透析膜において透析した。図3は、透析液中の15Nの同位体画分を示す。] 図3
[0125] 洗浄した膜の同位体画分レベルは、対照の同位体画分レベル(97.9%±0.02%)と類似していたが、未洗浄の膜(汚染窒素を含む)の同位体画分レベル(92.1%±1.4%)は、それより低かった。したがって、透析膜を予め洗浄することにより、初期の同位体画分を復元することができた。]
[0126] また、利用可能な炭素が13Cのみである培地において培養した細菌からも、タンパク質を抽出した。これらのタンパク質の同位体画分は、SIMSの測定によると、86%±0.5%であった。そして、これらのタンパク質を水に溶解させ、最終濃度が10%のグリセロールになるように二次溶液を生成した。図4は、これらの溶液における13Cの同位体画分を示す。] 図4
[0127] グリセロールの添加により、同位体画分は78%±2%まで減少したが、次段階のグリセロールを除去する透析により初期画分(86%±2%)まで回復した。]
[0128] <実験2>
本実験によると、PCR技術、および窒素化合物(汚染物質として、「定義」の項に記載されたDIR測定を混乱させる可能性がある)を含まない新規の緩衝液を用いて、同位体標識オリゴヌクレオチド(プローブ)を調製することができる。]
[0129] 〔窒素汚染を低減するホウ砂緩衝液の使用〕
(はじめに)
生物学上の多くの方法においてトリスベースの緩衝液が用いられる。この有機分子は優れた緩衝液であり、さらにカルシウム塩またはマグネシウム塩の沈殿を引き起こさない。しかしながら、本方法にとって、トリスは14Nを含み、DNA(および他の高分子)に対して強い親和性をもつという欠点をもつ。本方法が15Nプローブと14N標的との交雑により生じる15N/(14N+15N)比を正確に測定することに基づくことから、上記14Nは本方法において重大な汚染となり、欠点となる。]
[0130] 汚染窒素を含まないDNAの生成方法は2つある。(i)緩衝液にトリスを用いて、その後、DNAが生成されたらトリスを除去する方法、または(ii)トリスを含まない緩衝液を使用する方法である。一番目の方法は、時間およびコストがかかり、無駄が多い精製工程が必要になることから、本願においては二番目の解決策を採用し、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)に適したpHおよび濃度条件を設定する。我々が知る限りではPCRにホウ砂緩衝液を用いることを説明した文献は存在しないが、本願においては、窒素を含まず、トリス緩衝液と同じpH値を維持する無機緩衝液であるホウ砂緩衝液を使用した。]
[0131] 〔材料および方法〕
(PCR法)]
[0132] PML遺伝子由来のDNAの200bp配列を増幅させた。1周期の増幅のみによって(エラー生成を避けるため)テンプレート自体を生成した。ホウ砂緩衝液の効果を定量測定するように(そしてエラーの生成を制限するように)20サイクルのPCRを行なった。または、限定された基質を消費し、最大増幅を得るように60サイクルのPCRを行った。1%のアガロースゲルにおいて、電気泳動法によって単位複製配列を分析した。トリス緩衝液およびホウ砂緩衝液についての結果を示す。]
[0133] 〔結果〕
20サイクルの増幅の場合、ホウ砂緩衝液はトリス緩衝液の半分の収率であり、特筆すべきことに、ホウ砂緩衝液は異なる大きさの単位複製配列を生成しなかった。これはすなわち、ポリメラーゼがテンプレートの終端まで複製を継続したということである。60サイクルの増幅では、トリス緩衝液およびホウ砂緩衝液は同様の結果を出した。]
[0134] 〔結論〕
ホウ砂緩衝液はPCR増幅などの反応に最適であり、それゆえ、オリゴヌクレオチドプローブの合成にも最適である。したがって、本明細書に提示したSIMSに要求されるように、上記緩衝液を用いて汚染窒素を避けることができる。]
[0135] <実験3>
発明者らは、現在、SIMSによる検出のためのDNAおよびタンパク質配列を調製している。PCRを用いて、同位体標識および非標識ヌクレオチドプローブを調製し、PML遺伝子(前骨髄球性白血病タンパク質をコードする)の一部を含むDNAとハイブリダイズした。プローブ配列(長さ298塩基)は、tgtctccaat acaacgacag cccagaagag gaagtgcagc cagacccagt gccccaggaa ggtcatcaag atggagtctg aggaggggaa ggaggcaagg ttggctcgga gctccccgga gcagcccagg cccagcacct ccaaggcagt ctcaccaccc cacctggatg gaccgcctag ccccaggagc cccgtcatag gaagtgaggt cttcctgccc aacagcaacc acgtggccag tggcgccggg gaggcagagg aacgcgttgt ggtgatcagc agctcggaag actcagat(SEQID NO:1)であった。]
[0136] プライマは、(順方向)5'−TGTCTCCAATACAACGACAGC−3'(SEQID NO:2)、(逆方向)5'−ATCTGAGTCTTCCGAGCTGCT−3'(SEQ ID NO:3)であった。]
[0137] これらのヌクレオチドプローブは、適した化学技術によってシリコンウエハに共有結合される。これには、以下のステップが必要である。]
[0138] 1)「ピラニア」混合物(H2O2:H2SO4 1:3)を用いてシリコンウエハを洗浄し、高濃度の表面ヒドロキシル基を含む酸化Si表面を生じさせるステップ
2)官能基(例えばアルデヒド処理された)トリクロロオキシランまたはトリアルキルオキシランに表面ヒドロキシル基を結合させるステップ
3)ヌクレオチドプローブを上記官能基表面に接触させることによって、ヌクレオチドプローブを接着するステップ。]
[0139] 同位体標識プローブおよび非標識抗体プローブを調製した。これらは、抗−CD34、および抗クラスリンを含んでいた。適切な技術を用いてこれらの抗体プローブをシリコンウエハに接着させる。例えば、まずウエハ面をタンパク質A(以下に示すように、同位体標識した)で覆い、その後抗体(タンパク質Aが結合する)を加える。]
[0140] スタフィロコッカスアウレウス(Staphylococcus aureus)由来のタンパク質Aのアミノ酸32−327をコードする遺伝子をプラスミドにおいてクローン化し、ヒスチジン標識(以下の配列を参照)を有するN末端融合体を生成する。上記プラスミドを用いてエシェリキアコリ(Escherichia coli)BL21(DE3)を形質転換し、最小培地NG−5052(組成については下記を参照)において培養した。250mlのフラスコ内にて25mlの細菌培養物を培養し、18℃の温度下にて一晩、振盪させた(220rpm)。培養物を遠心分離にかけ(6000g、4℃にて10分間)、5mlの緩衝液A(50mM Na*PO4、300mM NaCl、pH7.5)中で、ペレットを再び縣濁した。リゾチームを加え(最終濃度1mg/ml)、室温にて30分間縣濁液を振盪させ、全出力の20%の出力にて0.5秒のパルスで30秒間ずつ2回超音波分解を行った(HD2200/sonotronde MS72)。遠心分離によって、溶解物の可溶性画分および不可溶性画分を分離した(20000g 4℃の温度下にて20分間)。イオン交換カラムに、(GE Healthcare、HP 1mlをキレート化する)対イオンとしてニッケルととともに上清を加えた。この対イオンは10倍量の緩衝液Aによって予め平衡化されている。その後、20倍量の緩衝液Aを用いてカラムを洗浄し、10倍量の緩衝液B(pH6.5である点を除いて緩衝液Aと同一のもの)を用いて洗浄した。カラムに結合した融合タンパク質を10倍量の緩衝液C(pH3である点を除いて緩衝液Aと同一のもの)を用いて溶離させた。アクリルアミド勾配(7.5%〜16%)によるSDS−PAGEを用いて溶出液を分析し、クマシーブルー、硝酸銀、および抗His抗体による免疫ブロット法を用いてタンパク質を可視化した。溶出液中の融合タンパク質の濃度は、0.344mg/mlであると測定され(ブラットフォード法)、クマシーブルー染色ゲルの濃度測定により、タンパク質は92%の純度であることがわかった。]
[0141] ここでは、N−5052における上記培養方法を用いて融合タンパク質を15Nに標識するが、非標識塩化アンモニウムの代わりに15N標識塩化アンモニウムを用いてもよい。]
[0142] 〔培地NG−5052の組成〕
−Na2HPO4 50mM
−KH2PO4 50mM
−NH4Cl 50mM
−Na2SO4 5mM
−MgSO4 2mM
−微量金属1x
−グリセロール0.5%(w/v)
−グルコース0.05%(w/v)
−カナマイシン50μg/ml]
[0143] 〔培地N−5052の組成(Studier et al., 2005 Protein production by auto-induction in high-density shaking cultures. Protein expression and purification 41: 207-234)〕
培地NG−5052
乳糖0.2%(w/v)]
[0144] 〔「微量金属」溶液5000xの組成〕
FeCl3 50mM
CaCl2 20mM
MnCl2 10mM
ZnSO4 10mM]
[0145] 〔タンパク質Aの融合タンパク質の配列〕
MGSSHHHHHHSSGPAANAAQHDEAQQNAFYQVLNMPNLNADQRNGFIQSLKDDPSQSANVLGEAQKLNDSQAPKADAQQNNFNKDQQSAFYEILNMPNLNEAQRNGFIQSLKDDPSQSTNVLGEAKKLNESQAPKADNNFNKEQQNAFYEILNMPNLNEEQRNGFIQSLKDDPSQSANLLSEAKKLNESQAPKADNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNGFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPKADNKFNKEQQNAFYEILHLPNLTEEQRNGFIQSLKDDPSVSKEILAEAKKLNDAQAPK(SEQ ID NO:4)
SIMSを用いてプローブ−標的の連結を分析し、SIMS技術と標準の蛍光技術との比較を行なう。]
权利要求:

請求項1
導電性表面と、少なくとも1つの微量な安定同位体もしくは不安定同位体、または外因性同位体によって標識されたプローブを含む複数の個別領域とを有する実質的に平面の基材を備えているアレイ。
請求項2
導電性表面を有する上記実質的に平面の基材がシリコンウエハである、請求項1記載のアレイ。
請求項3
上記プローブは、2H、13C、15N、17O、18O、33S、34Sおよび36Sの群から選択される少なくとも1つの安定重同位体、3Hおよび14Cの群から選択される少なくとも1つの不安定同位体、または79Brおよび81Brの群から選択される少なくとも1つの外因性同位体によって標識される、請求項1または2記載のアレイ。
請求項4
上記アレイはマイクロアレイであり、当該マイクロアレイの各個別領域の長さ、幅または直径のうち1つが1μm〜1000μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアレイ。
請求項5
各個別領域が、少なくとも1つの微量な安定同位体もしくは不安定同位体、または外因性同位体によって標識されたプローブを含むマイクロウェルである、請求項4記載のアレイ。
請求項6
上記アレイはナノアレイであり、当該ナノアレイの各個別領域の長さ、幅または直径のうち1つが1nm〜1000nmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアレイ。
請求項7
各個別領域が、少なくとも1つの微量な安定同位体もしくは不安定同位体、または外因性同位体によって標識されたプローブを含むナノウェルであることを特徴とする請求項6記載のアレイ。
請求項8
各マイクロウェルは複数のナノウェルを有し、上記ナノウェルが、少なくとも1つの微量な安定同位体もしくは不安定同位体、または外因性同位体によって標識された上記プローブを含むことを特徴とする請求項5に記載のアレイ。
請求項9
少なくとも1つの試料において、少なくとも1つの生体分子の有無を検出および定量化するための方法であって、(a)上記少なくとも1つの試料を請求項1〜8のいずれか一項に記載のアレイに接触させるステップと、(b)上記アレイを洗浄および乾燥させるステップと、(c)SIMSによって、共通二次イオンおよび対応する微量な二次イオンを検出および計数するステップと、を含む方法。
請求項10
検査対象の各試料を上記アレイにおける1つ以上の個別領域に接触させる、請求項9記載の方法。
請求項11
検査対象の上記試料が単細胞である、請求項9または10に記載の方法。
請求項12
検査対象の上記試料の分子地図を決定するための方法であって、上記分子地図が、上記試料のトランスクリプトーム、プロテオーム、リピドーム、メタボローム、グリコーム、および/またはインタラクトームの決定要素となる、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
請求項13
疾病素因を予測するため、または診断を必要とする被験者に疾病の診断をするための、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
請求項14
疾病を治療する被験者に投与される治療薬の有効性をモニタリングするための、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
請求項15
治療薬をスクリーニングするための、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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